日本が終戦を迎えてのちの高度経済成長局面を終えて
普通の先進国並みの成長しか期待できなくなったときに
ちょうど少子高齢化の局面に入り
稼ぐ人がいなくなって
お年寄りはゲートボールをしているかパチンコをしているか寝たきりかの状態で
若者は税金も健康保険も年金も払い、しかもじわじわと介護保険の重荷も増える様子
収入の増大曲線を超えて社会福祉負担曲線は急カーブを描く予定とのことだ
ゆとり教育の影響はあと20年くらいは社会の足かせになるらしい
しかも工業製品生産で競合するアジアの国が高度成長局面を迎えており
ケンカするでもなく過剰にアシストするでもなくうまく付き合わなければならない
特許をとってもスパイはされるし特許権侵害はされるしで
それを法的に訴えているうちに日本は衰退してしまうわけだ
衰退する日本社会をどう生きるのかといえば
平たい話、貧しい社会をどう我慢するかということだ
多分都心の一等地には豪華な建物もお店も残るだろうが
それは一般の日本人のものではなくなって
海外のお金持ちのものになるのだろうと思う
お金持ちになってみたいならばさっさと海外で稼いだほうがいいらしい
いまでも日本の地方都市のJR駅前の商店街衰退は明らかだし
お年寄りがそんなに頻繁に郊外型のショッピングセンターに出かけるわけでもない
閉じられたままの錆びたシャッターが並ぶ商店街
その現実を別に辛くないですという感じで受け入れなければならない
中古の自動車に20年は乗る感じ
別の選択は海外からの労働者受け入れだけれど
それよりは企業が海外に出ていく流れになっている
観光で生きていこうとの考えもあるのだが
今回の地震、津波、放射能でずいぶん萎んだと思う
第一、お年寄りがどうやって生きて行くのか
赤字国債を印刷するしか方法がないらしいとすれば
気持ちも萎えるし士気も衰える
最近のニュースは概ねが社会全体の品質劣化を伝えているのだろう
偶然の事故ではなくて品質の劣化
安かろう悪かろうで平気で長生きすることを目標にするしかないようだ
ときどき不意に2時間程度の停電は当たり前
消えてしまった作りかけの書類をまた時間をかけて作る
電車は時間通りには来ない、来ないので一日に2時間でも3時間でも歩いたりする
水道が止まる、下水が詰まる、ガスがとまる
TVでは嘘ばかり言い、新聞は嘘の言い訳ばかり書き、ラジオは古い歌ばかり流す
空き巣も珍しくないが空き巣が喜ぶようなものは家の中にない
警察官は少なくなり刑務所が満員になって老人ばかりになり医者がしょっちゅう呼ばれるようになる
コネで偉くなる人はいても偉くなったことのありがたみがちっとも感じられない社会になるだろう
古代ギリシャとか古代ローマ帝国のように衰退すると思う
その時それぞれの文明は遺産を残しているのだが
日本の遺産はやはり京都にあるのであって東京は文明遺産にならないような気がする
それが寂しいし
なによりも日本語が忘れられてゆくだろうことが寂しい
古代ギリシャ語もラテン語も立派なものだが
日本語はたぶんハンガリー語に近いくらいで余程のマニアでなければ
研究しないものになるのだろう