首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間

1.東電

2.官邸・細野氏発表
3.原子力安全委員会
で見解が異なり、誰かが勘違いしているらしいのだが
ますます混乱の様相
たとえば
政府、首相の関与否定に躍起 海水注入中断問題 過去の政府資料を訂正
2011.5.21 22:57
 東京電力福島第1原発への海水注入が菅直人首相の「聞いていない」発言により中断したとされる問題で、政府は21日、打ち消しに躍起となった。細野豪志首相補佐官は過去に発表した政府資料を都合良く訂正した上で「事実に基づかない」と反論したが、政府関係者の証言との矛盾がますます増えており、むしろ疑念は深まった。自民党は週明けから国会で徹底追及する構え。
 細野氏は21日夕、都内の東電本店で開かれた政府・東電統合対策室の記者会見で経緯を説明した。
 それによると、首相は3月12日午後6時に始まった政府内協議で「海水注入で再臨界の危険性はないか」と聞いたところ、原子力安全委員会の班目春樹委員長が「危険性がある」と指摘したため、ホウ酸投入を含めた方法を検討した。
 東電は午後7時4分から1号機でホウ酸を入れない「試験注入」を始めたが、官邸の指示を待つために同25分に注入を停止。首相が海水注入を指示したのは同55分だったとしている。
 細野氏は、東電の試験注入について「原子力安全・保安院には口頭で連絡があったが、官邸には届かなかった。首相が激怒することもない。私が知ったのも10日ほど前で驚いた」と首相の関与を否定。過去に公表した政府資料に「午後6時の首相指示」との記載があることについては「『海江田万里経済産業相が東電に海水注入準備を進めるよう指示した』と記述するのが正確だった」と訂正した。
 複数の政府筋によると、首相が海水注水について「聞いていない」と激怒したことは複数の政府関係者が記憶しており、斑目氏が「海水注入は再臨界の危険性がある」などと指摘した事実もないという。
 この問題を受け、自民党の谷垣禎一総裁は21日、新潟市で「事態の処理を遅らせたとすれば人災という面が非常にある」と批判。同日夕、大島理森副総裁、石原伸晃幹事長らと党本部で協議し、週明けから原発事故の政府対応を国会で徹底追及する方針を決めた。
 鳩山由紀夫前首相も北海道苫小牧市で、政府の事故対応を「事実が必ずしも国民に明らかにされていない。重く受け止めなければならない」と批判した。(産経)
ーーーーー
「班目氏が再臨界の恐れ」…本人「言ってない」政府・東京電力統合対策室は21日の記者会見で、
東京電力福島第一原子力発電所1号機で東日本大震災の発生翌日に行われていた海水注入が
中断していた経緯を説明した。 
この中で対策室は、内閣府原子力安全委員会の班目まだらめ春樹委員長が
3月12日、菅首相に「海水を注入した場合、再臨界の危険性がある」と意見を述べ、
それを基に、政府が再臨界の防止策の検討に入ったとしていた。

しかし、班目氏は21日夜、読売新聞の取材に対し、
「再臨界の恐れなど言うはずがない」と対策室の説明内容を真っ向から否定した。
 東電側は、官邸で再臨界の危険性の議論が続いていることを理由に海水注入を中断したとしており、
班目氏の再臨界に関する指摘の有無は、対策室の説明の根幹部分といえる。
対策室と班目氏の言い分の食い違いは、23日からの国会審議で大きな問題となりそうだ。(2011年5月22日03時04分 読売新聞)

ーーーーー
班目委員長「私は言っていない」 再臨界の危険性発言
2011年5月22日3時0分
        
 班目春樹・原子力安全委員長は21日夜、朝日新聞の取材に対し、政府・東電統合対策室の会見について「再臨界の危険性があるなどと私は言っていない。侮辱と思っている」と反論した。
 会見で配布された海水注入をめぐる事実関係の発表文には、「原子力安全委員長から、『再臨界の危険性がある』との意見が出された」などと記されていたが、班目委員長は「発表文は東電と官邸と保安院が作ったもの。原子力安全委員会として抗議する」と話した。
 会見には安全委事務局の加藤重治内閣府審議官も同席していたが、班目委員長の発言は否定していなかった。(朝日)