うつ状態の波

地震、火事、お祭り、性行為など

どちらかと言えば非日常の事態に
躁状態の人が突出して活動する
泣いたり叫んだり
歌ったり踊ったりしている
被害そのものは東北であるが
映像情報が日本を覆っているので
全体に躁状態にシフトしているはずである
そのあとにうつ状態の波が来るだろう
ーー
ストレス反応として判断力が低下している様子も容易に映像から読み取ることができる
冷静になって最短距離を歩く人は映像としては地味になってしまうのだろう
泣いて叫んで遠回りしている姿が映像になる
ーー
困ったものだが
そのようなプロセスを経過しなければ済まないのだろう
前頭前野まで血液が回らない
ーー
しかしここまで被害がむき出しになってしまうと
難しい問題がある
誰が先に救われるべきなのかという問題
たとえば大企業の支社に務めていた人は地元の小企業に努めていた人よりも
心配してくれる知り合いが多いはずだ
たとえば社内で義援金を集めれば大企業社員はそうでない人たちよりも義援金に恵まれる
そうは言いながら、こうむき出しの中で、特定の誰かが恵まれていることを露呈させてしまうことは
よくないはずだ
各家庭で秘密のうちに喜ばれるべきものなのかもしれない
生まれてすぐに死んでゆく子供たちをどうすることもできないほどの貧困が常時存在する地域も地上にはある
しかしそのような人たちは我々の目には届かないように遮蔽されているので平気で生きていられる
ノーベル文学賞を与えると言われて
文学者は百万の飢えた子供たちを助けられない文学は意味がないと拒否し
しかしまた一方で文学にとって百万の飢えた子どもが何の意味があるのかという反問もあったはずだ
トヨタで集めた義援金をトヨタ職員に優先して回すのか
それとも全員に公平に渡すのか
難しいところがあって
このあたりの分配の制度が国家制度そのものとも言えるだろう
税金という義援金を強制的に集めて
全く理由なく任意に分配して文句を言わせないのが国家というものである
膨大な無駄があり途方もない非合理であるが
それしか方法がないらしい
ーー
義援金で露骨に自社社員を優遇してもよくないだろうが
結果的に長い目で見て優遇しているわけで
だからこそ人気企業なのだろうと思う
このあたり、はっきりとは言えないので、困ったものだ
いずれ全員が幸せになりますようにと
祈ることくらいしかできない