うつ病に対する認知行動療法は、心理療法として扱う範囲を狭め、治療の標的を単純化・明確化・具体化することで、短期間に最大限にわかりやすい効果を発揮するようにできているようです。 おそらくこのために、思春期のうつなどのより複雑な問題を扱うのは不得意なのではないかと思えるのです。
なぜ一般的な、より単純なうつ病に対して効果があるとされる認知行動療法は長期化・難治化した思春期のうつ病には効かないのか? おそらくうつ病に対する一般的な認知行動療法は単純すぎるからでしょう。 認知行動療法は、その他の心理療法に比較して、心理療法的に扱う範囲を非常に狭めていますし、問題をやや単純化するところがあります。
逆に言うと、このように治療の対象とする標的を狭い範囲に限局化することで短期間にわかりやすい改善を促すことができるわけです。 (米国では医療保険は商業ベースでなされているため、この「短期間にわかりやすい改善を促すことができる」ということが、近視眼的な費用対効果が、非常に重要視される傾向があります。)
ところが、思春期の長期化・難治化した「うつ病」というのは、相当に本人の性格の問題、家族の問題、対人関係の問題、などなどの諸事情がからみあっている複雑なものでありがちです。 単純なやり方では歯が立たなくて当然だろうという気もします。
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と紹介されていますが
そういう背景があるわけです