アスペクトの区別「-とる/ちょる」「-よる」

アスペクトの区別「-とる/ちょる」「-よる」
共通語では進行・完了のいずれの場合も「~ている」で表現するが、広島弁を始めとする西日本方言・九州方言の多くでは、結果継続態と進行態とで区別をする(アスペクトの区別)。結果継続態とは、ある行為や動作の行われた結果がまだそこに残っていることを表す形で、安芸方言では山陽道沿いで「~とる」、それ以外の地域で「~ちょる」を用いたが、「ちょる」を用いた地域も「~とる」になりつつある。進行態とは、行為や動作が行われつつあることを表す形で、広島弁では「~よる」を用いる。しかし現在(1998年時点)では区別のできない人が増加しつつある。岡山弁などと同じく、「たびょーる」(←食べよる)や「やりょーる」(←やりよる)のように融合した発音をすることもある。
[例] あめがふっとる(今も雨が降っていた跡がある)、あめがふりよる(今、雨が降っている)
[例] ドアが開いとる(ドアが開け放してある)、ドアが開きょーる(ドアが開こうとしている)