うつ病の二つの類型 喪失反応型と疲労ダウン形

うつ状態を大きく二つに分けると

1.悲哀反応、喪失反応としてのうつ
2.極度の疲労の後の回復状態としてのうつ
のふたつがある
1.は失恋とか死別とか失職、上司からの叱責、財産喪失、ペットロスなどが典型的である
2.は慢性持続性の疲労が回復不可能な程度まで蓄積された結果起こる。筋肉モデルで言えばマラソンの次の日の筋肉痛に当たる。
20年前までの日本のうつ病はメランコリー型というもので執着気質を基盤として発生した。これは2.のタイプである。
最近の日本の若者のうつ病は、誰かに叱責されるともう会社が怖くて出社できないというタイプで、1.のタイプのようである。
DAM理論では2.のタイプが良く説明できる。
1.のタイプは反応性の色彩が強く、生物学的な把握よりも心理学的な把握が有効だろうと思う。
場合によっては精神分析的な技法が有効だろうと考えている。
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1.についてはpsychoticな要素が少ないので昔はもちろんうつ病と呼ばなかった。昔はうつ病はpsychose だったのだ。neurose type の抑うつ神経症とは違うものと認識されていた。
しかしながら、精神病性のうつ病も経過が長くなるに連れて神経症成分が混入して症状を複雑にする。
現代型のうつ病はいきなり反応性の不安や喪失体験から発生する場合もあるようで
そのような成り立ちのものをなんと呼べばいいのか
問題もあるだろう。