淡いもの

風情の全般としては淡いものが尊い

桜は薄紅色が良い
モーツァルトのクラリネットは
うすくうすく音を小さくして静寂の中にわずかに響く程度
空耳かどうか分からない程度
そんなクラリネットがいいと大きなクスノキの下で話したものだった
風が吹いて葉がざわざわいっていた
想いも淡いものがよい